「2JZ」——この3文字は、世界のチューニングシーンで「最強」の代名詞である。1993年に登場した2代目スープラ(A80型)は、伝説の直6ツインターボ「2JZ-GTE」を搭載し、映画『ワイルド・スピード』のオレンジのスープラとして世界的アイコンとなった。生産終了から20年以上を経て、その価格は新車時の数倍に高騰し続けている。


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バブルの遺産が生んだ怪物
A80の開発はバブル絶頂期に始まった。「世界に通用するピュアスポーツを」という目標のもと、コストを惜しまず開発されたシャシーと専用設計の3.0L直6ツインターボは、バブル崩壊後の日本では二度と作れない贅沢な作りだ。デザインは曲面基調のグラマラスなフォルムで、大型リアウイングとともに圧倒的な存在感を放つ。
2JZ-GTE — 鉄壁の1,000psエンジン
- 型式:2JZ-GTE 3.0L 直6 DOHC シーケンシャルツインターボ
- 最高出力:280ps/5,600rpm(国内仕様・自主規制値)
- 最大トルク:44.0kgm→46.0kgm(VVT-i付き後期)
- 全長×全幅×全高:4,520×1,810×1,275mm
- 車両重量:1,410〜1,570kg
- トランスミッション:6速MT(ゲトラグ製V160)/ 4速AT
2JZ-GTEの真価はその頑丈さにある。鋳鉄ブロックと余裕の設計により、純正エンジン内部のままタービン交換だけで600〜800ps、内部強化すれば1,000ps超にも耐える。この「壊れない高出力」が世界のチューナーを熱狂させ、ドラッグレースからドリフトまであらゆる競技でA80は最強ベース車であり続けている。
ワイルド・スピードと世界的高騰
2001年の映画『ワイルド・スピード』で主人公ブライアンが駆るオレンジのA80は、JDMブームの起爆剤となった。劇中車は2021年のオークションで55万ドル(約6,000万円)で落札。米国25年ルールの対象になった現在、日本からの輸出が続き国内のタマは減る一方だ。
現在の相場
- SZ(NA・5MT/4AT):300万〜600万円
- RZ系(ツインターボ・6MT):700万〜1,500万円
- 後期RZ低走行・無改造:1,500万〜2,500万円超
- チェックポイント:6MT(V160)の状態(部品が極めて高額)、改造歴と復元性、シーケンシャルターボの作動、修復歴。
A80は「日本の直6が世界の頂点に立った証」だ。2020年に復活した新型スープラ(A90)もこの伝説の延長線上にある。2JZの底なしのポテンシャルを知れば知るほど、バブル期日本の本気が見えてくる。
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