1990年9月、世界のスーパーカー業界に激震が走った。ホンダNSX(NA1型)——世界初のオールアルミモノコックボディをまとった日本製ミッドシップは、「壊れるのが当たり前」だったスーパーカーの常識を覆し、フェラーリに本気の改革を迫った。アイルトン・セナが開発に関わった伝説とともに、NSXは「日本のものづくり」の頂点として今も世界中で敬意を集めている。

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世界初のオールアルミボディ
NSX最大の革新は、量産車世界初のオールアルミモノコックボディだ。鋼板比で約140kgの軽量化を達成し、車重1,350kgに抑えながら高剛性を確保。専用工場(栃木・高根沢)で熟練工が手作業に近い体制で組み立てた。「毎日乗れるスーパーカー」——エアコンもオーディオも完備し、視界は広く、トランクも実用的。信頼性は当時のフェラーリと比較にならないレベルだった。
主要スペック(NA1初期型)
- C30A型:3.0L V6 DOHC VTEC・280ps(MT)/265ps(AT)
- 最大トルク:30.0kgm
- 全長×全幅×全高:4,430×1,810×1,170mm
- 車両重量:1,350kg
- 駆動方式:MR(横置きミッドシップ)
- サスペンション:4輪ダブルウィッシュボーン(アルミ製)
- 新車価格:800万円(1990年)
セナがニュルブルクリンクで開発車両をテストし「もっとボディ剛性を」と進言、シャシーが強化されたエピソードは有名だ。1992年には軽量硬派のタイプR(NA1)が登場。約120kgの軽量化と専用チューンで「史上最も純粋なNSX」と呼ばれ、現在は5,000万円超で取引される伝説と化している。1997年にはC32B型3.2L+6速MTのNA2へ進化した。
現在の相場
- NA1標準車:1,200万〜2,000万円
- NA2(3.2L・6MT):1,800万〜3,000万円
- タイプR系:3,500万〜6,000万円超
- チェックポイント:事故・修復歴(アルミボディの修理は特殊技術が必要)、純正度、整備記録。正規ディーラーまたはNSX専門店での購入が鉄則。
NSXの登場によりフェラーリは348の品質改善を迫られ、355で大きく進化したと言われる。「日本車が世界を変えた」最も象徴的な実例——それがNSXだ。バブルの徒花ではなく、日本のエンジニアリングが到達した金字塔である。
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