MENU

日産 フィガロ——開く屋根と専用の室内、小さな車体で楽しむクラシックな世界

日産 フィガロ——開く屋根と専用の室内、小さな車体で楽しむクラシックな世界の記事見出し

日産フィガロは、遠くから見た姿と、乗り込んで目に入る景色の両方に個性があります。小さな車体の中で外観と室内の雰囲気をそろえ、屋根を開く楽しみも加えた一台です。懐かしい意匠の奥にある具体的な仕組みを見ていきましょう。

TOC

オープントップとMA10ETターボ

フィガロは専用の屋根開閉機構を持ち、エンジンには987ccのMA10ETを採用しました。直列四気筒OHCにターボを組み合わせた構成です。穏やかな表情だけを見て自然吸気の車と決めつけると、機械の内容を読み違えます。屋根が開く仕組みと過給エンジンは、外装の飾りとは別に確かめたい要素。小さな車でも、意匠と機能の両方に見どころがあります。

室内まで一つの世界を作る

市販車としての登場は1991年で、1989年の東京モーターショー出品を経ています。白い本革の室内や専用デザインの計器盤も、日産の保存車解説が挙げる特徴です。外板だけを過去風に整えるのでなく、乗り込んだ人が見るものまで作り込んだことが分かります。丸い灯火から計器の表情へと視線を移すと、車全体を一つの作品として見る楽しみが生まれます。

Be-1との違いから見る立ち位置

パイクカーの出発点となったBe-1は、標準ルーフの小型車です。フィガロでは開く屋根や本革内装へと表現を広げました。両車を比べるなら、単に古風な外観という共通点でまとめず、車内で過ごす体験の違いに注目したいところです。フィガロは眺める対象であると同時に、屋根と室内の組み合わせを楽しむ車として読むと、固有の輪郭が見えてきます。

主要スペック

表は日産ヘリテージコレクションの1991年式FK10型保存車に基づきます。現在残っている個体の改造や部品交換まで、この数値が保証するものではありません。

項目内容
対象年式/型式1991年/FK10
エンジンMA10ET・直4 OHCターボ
排気量987cc
最高出力76PS/6,000rpm
全長×全幅×全高3,740×1,630×1,365mm
ホイールベース/車両重量2,300mm/810kg
前後サスペンションストラット/4リンク

コレクターズガイド:雰囲気を作る部品

現車では屋根の開閉だけでなく、閉じた際の収まり、周囲のゴム、室内に残る水染みを確認項目にできます。白い内装は補修や張り替えの記録を併せて見ると、現在の状態を理解しやすくなります。装飾部品や計器盤を交換している場合も、元の意匠との違いを知って選びたいところです。磨かれた外板に加え、室内の小さな部品がどれだけ残っているかが、この車の印象を左右します。

日産史に残るパイクカーの展開

日産はフィガロを、Be-1、パオ、エスカルゴに続くパイクカーとして位置づけています。日常の道具に強い個性を与えるシリーズの中で、フィガロは独自の方向へ進みました。シリーズ名が同じでも、すべてを同じ性格の車として扱わないことが大切です。先行車から何を受け継ぎ、何を変えたかを見れば、メーカーの試みを一台ずつ読み解けます。

ブランドの現在:保存車が伝える意匠

日産の公式コレクションはフィガロの内外装と諸元を公開しています。記録にある色名や専用装備を手掛かりにすると、現車の姿が当初の仕様なのか、後年の変更なのかを整理できます。改変を一律に悪いとする必要はありません。何が残り、何が変わったかを知ったうえで眺めることが、クラシックカーへの理解を深めます。フィガロは、その観察が楽しい車です。

よくある質問

フィガロはターボ車ですか?

はい。公式保存車データではMA10ET型ターボエンジンを搭載しています。外観の印象だけで機構を判断しないことが大切です。

白い本革内装は後から加えたものですか?

白い本革インテリアはメーカーが説明する当初の特徴です。ただし現存車では張り替えや交換の有無を個別に確認してください。

写真だけで保存状態を判断できますか?

屋根の動作や室内の状態は静止画だけでは分かりません。現車と整備記録を併せて確認すると、表面以外の情報を得られます。

公式出典:日産ヘリテージ:フィガロ日産ヘリテージ:Be-1

あわせて読みたい

Let's share this post !

Author of this article

クラシックカー専門ライター。自動車雑誌の編集部に12年在籍し、欧州車・国産旧車の取材を担当。独立後はイタリア・英国のクラシックカーイベント取材やオーナーインタビューを重ね、これまでに試乗・取材した旧車は300台以上。愛車はアルファロメオ ジュリア スーパー(105系)と、レストア中の国産旧車1台。「名車の物語を、次の世代に手渡す」をモットーに、スペックの羅列ではなく“そのクルマが生きた時代”まで伝える記事を心がけている。

TOC