「FFライトウェイトスポーツ」という言葉を日本に定着させたのは、間違いなくホンダCR-Xだ。1983年に初代バラードスポーツCR-X、1987年に2代目サイバースポーツCR-Xが登場。1トンを切る軽量ボディに高回転型エンジンを積み、価格も手頃——若者が背伸びすれば届く本物のスポーツカーとして、80年代のホンダの躍動を象徴する存在になった。

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初代バラードスポーツCR-X(1983年)
初代CR-X(AE/AF/AS型)は、シビックの兄弟車バラードをベースにした2+2のFFクーペ。樹脂製の外板パネルを多用した軽量ボディ(800kg台)と空力に優れたセミリトラクタブルライトのウェッジシェイプが特徴だ。1.5リッターの12バルブエンジンに加え、1984年には新開発のDOHC「ZC型」1.6リッター(130ps)を搭載したSiが追加され、軽さと相まって当時のライバルを驚かせる俊足ぶりを見せた。
2代目サイバースポーツCR-X(1987年)
- 型式:EF6/EF7/EF8
- エンジン:ZC型 1.6L DOHC(130ps)/B16A型 1.6L DOHC VTEC(160ps・EF8 SiR)
- 車両重量:970〜1,050kg
- サスペンション:4輪ダブルウィッシュボーン
- 特徴装備:エクストラウィンドウ(リアガラス下の追加窓)
2代目最大のトピックは、1989年のマイナーチェンジで追加されたSiR(EF8)だ。世界初の可変バルブタイミング・リフト機構「VTEC」を積むB16A型エンジンは、リッター100psという自然吸気の壁を量産車で突破。8,000rpmへ向かって炸裂するVTECの咆哮は、ホンダ伝説の幕開けだった。4輪ダブルウィッシュボーンの足回りと相まって、ワインディングでの身のこなしは「路面に張り付くゴーカート」と評された。
現在の相場と選び方
- 初代バラードスポーツ:現存数が極めて少なく、良個体は200万〜400万円。
- 2代目Si(EF7):120万〜250万円。
- 2代目SiR(EF8):180万〜350万円。VTEC初搭載の歴史的価値で上昇中。
- チェックポイント:錆び(リアホイールアーチ・サイドシル)、改造歴、エンジンのメカノイズ。ワンオーナー系の無改造個体は年々希少に。
CR-Xは「FFはスポーツになり得るか」というホンダの問いへの最初の答えであり、後のタイプRすべての原点だ。VTECが目覚める6,000rpmからの加速は、40年近く経った今も色褪せない。
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