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Lamborghini Urraco——若き雄牛、ベルトーネが仕立てた2+2ミッドシップの野心作

ランボルギーニというと、12気筒のミッドシップばかりが語られがちです。しかし同社には、より広い層へ届けようとした意欲的な系譜が存在します。ウラッコはその最初の一台でした。名は闘牛の若い雄牛に由来し、V8を横置きに積んだ2+2という、当時としては挑戦的な構成を採っています。

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横置きV8という選択

ウラッコの中核は、新規に設計されたV型8気筒です。座席の背後に横向きに配置することで、後席のための空間を確保しました。カムシャフトはベルトで駆動され、初期型は各バンク1本ずつ、のちの3リッター版では各バンク2本ずつという構成へ発展しています。

サスペンションは前後ともストラット式で、これも省スペースをねらった判断でした。量産を意識した設計思想は、それまでのランボルギーニとはやや異なるものです。回転を上げたときの音の粒立ちは紛れもなくランボルギーニのもので、機構の合理性と官能性が同居しています。

「もう一台のランボルギーニ」という構想

1960年代末、ランボルギーニは12気筒の高性能車で名を上げていましたが、経営の安定には販売台数が必要でした。そこで企画されたのが、より小さく、より現実的なミッドシップです。1970年のトリノ・ショーで姿を見せ、市場へ届いたのはその数年後でした。

デザインはベルトーネのマルチェロ・ガンディーニ。ミウラやカウンタックとは異なり、鋭さより端正さを重んじた造形で、リアクォーターのスリットが特徴的です。派手さを抑えたぶん、いま見ると新鮮に映ります。

宿敵フェラーリとの比較

ウラッコが狙った市場には、フェラーリのディーノ246、そしてのちの308系という強力な相手がいました。フェラーリ勢が徹底してスポーツカーとして構成されていたのに対し、ウラッコは後席を備え、日常でも使える性格を打ち出しています。

イタリア国内向けには税制に対応した2リッター版も用意され、より広い層に手が届くよう配慮されました。ただし発売時期の遅れと、その後の燃料事情の悪化が販売に影を落とします。企画の正しさに対して、時代が味方しませんでした。

主要スペック

仕様により内容が大きく異なります。代表的な値を挙げます。

項目内容
エンジン形式V型8気筒(横置きミッドシップ、ベルト駆動)
排気量約2.0/2.5/3.0リッターの各仕様
最高出力およそ180〜250馬力(仕様により差があります)
駆動方式ミッドシップ・後輪駆動
サスペンション前後ともストラット式
乗車定員2+2
デザインベルトーネ(マルチェロ・ガンディーニ)
生産年1972年ごろ〜1979年ごろ

コレクターズガイド:再評価が進む一台

ウラッコは長らく「ランボルギーニの中では地味な存在」と見られてきました。総生産台数は800台に満たないと言われますが、それでも12気筒モデルほどの注目は集めてこなかったのです。近年はその状況が変わりつつあります。

選ぶ際は、車体の腐食と、ベルト駆動まわりを含む整備履歴が要点です。専用設計の部品が少なくないため、専門店との関係を持てるかどうかが維持のしやすさを大きく左右します。3リッター版は動力性能の面で満足度が高く、探す価値のある仕様です。

フェルッチオ・ランボルギーニの起点

フェルッチオ・ランボルギーニはトラクター事業で成功を収めた実業家でした。自らが所有する高性能車への不満から、自動車製造へ乗り出したという逸話はあまりに有名です。彼が目指したのは、レースではなく、公道で完成された高性能車でした。

その思想はウラッコにも流れています。過激さより完成度、扱いにくさより使いやすさ。創業者が退いたあとも、この考え方はランボルギーニの一方の柱であり続けました。

ウラッコが残した系譜

ウラッコの構成は、その後シルエット、そしてハルパといった後継モデルへ発展していきます。いずれも小さめのミッドシップという路線を守り、12気筒モデルと二本立てでブランドを支えました。

現代のランボルギーニにも、この二本立ての考え方は受け継がれています。頂点を極める車と、より多くの人に届く車。ウラッコはその後者の系譜の出発点に立つ、記念すべき一台です。

よくある質問

後席には人が乗れますか

2+2の配置ですが、後席は小柄な方や短距離での使用を想定した広さです。荷物置きとして使う方も少なくありません。

どの仕様を選ぶとよいですか

動力性能を重視するなら3リッター版が有力です。2リッター版はイタリアの税制に対応した仕様で、台数の面では希少といえます。

維持は難しいですか

生産台数が少なく専用部品も多いため、専門店の支援が前提になります。ベルト駆動まわりの定期的な整備は欠かせません。

名前の意味は何ですか

ウラッコは闘牛の若い雄牛を指す言葉です。ランボルギーニの車名に牛にまつわる名が多いのは、創業者の出身星座と闘牛への関心に由来すると言われます。

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Author of this article

クラシックカー専門ライター。自動車雑誌の編集部に12年在籍し、欧州車・国産旧車の取材を担当。独立後はイタリア・英国のクラシックカーイベント取材やオーナーインタビューを重ね、これまでに試乗・取材した旧車は300台以上。愛車はアルファロメオ ジュリア スーパー(105系)と、レストア中の国産旧車1台。「名車の物語を、次の世代に手渡す」をモットーに、スペックの羅列ではなく“そのクルマが生きた時代”まで伝える記事を心がけている。

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