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【9000rpmの芸術】ホンダ S2000 完全解説 — リッター125ps・F20C自然吸気エンジンの奇跡

ホンダ S2000

ホンダ創立50周年記念車として1999年に登場したS2000(AP1型)は、「エンジンのホンダ」が己の存在理由を形にしたオープンスポーツだ。自然吸気2.0Lで250ps——リッター125psという量産NAエンジン世界最高水準の数値を、ターボにもスーパーチャージャーにも頼らず達成。9,000rpmまで回り切るF20Cエンジンは、内燃機関の芸術品と呼ぶにふさわしい。

ホンダ S2000
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F20C — 自然吸気の頂点

  • 型式:F20C 2.0L 直4 DOHC VTEC
  • 最高出力:250ps/8,300rpm
  • 最大トルク:22.2kgm/7,500rpm
  • レッドゾーン:9,000rpm
  • 圧縮比:11.0

F20Cの設計目標は「F1のフィーリングを公道へ」。低回転では従順なツーリングエンジンが、VTECの切り替わる6,000rpm前後から豹変し、9,000rpmへ向けて咆哮とともに伸び続ける。このドラマチックな二面性は、過給機エンジンでは決して味わえないNAだけの世界だ。2005年のマイナーチェンジ(AP2)では2.2LのF22C(242ps・トルク重視)に換装され、扱いやすさが増した。

ハイXボーンフレームという発明

オープンカーの宿命であるボディ剛性不足に対し、ホンダは「ハイXボーンフレーム」という独自構造で回答した。フロアトンネルを背骨として前後に骨格を通すこの構造により、クローズドボディ並みの剛性を実現。50:50の前後重量配分、フロントミッドシップ配置、4輪ダブルウィッシュボーンと合わせ、ピュアスポーツとして一切の妥協がない。6速MTのカチカチと決まるショートストロークシフトは「世界最高のマニュアル」と評され続けている。

主要スペック

  • 全長×全幅×全高:4,135×1,750×1,285mm
  • 車両重量:1,240〜1,260kg
  • 駆動方式:FR
  • 生産期間:1999〜2009年(世界累計約11万台)

現在の相場

  • AP1前期:250万〜450万円
  • AP1後期・AP2良個体:350万〜600万円
  • 低走行・無改造の極上車:600万〜1,000万円
  • チェックポイント:幌の状態(交換は15万〜30万円)、F20Cのオイル消費、事故歴(スポーツ走行個体が多い)、純正部品の有無。

S2000は「ホンダがホンダであること」を証明するために作られたクルマだ。9,000rpmの咆哮とともに風を切る体験は、電動化の時代にはもう二度と生まれない。最後の純粋なホンダスポーツ——その価値は年々重みを増している。

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