MENU

【555ブルーの伝説】スバル インプレッサ WRX STI(GC8)完全解説 — マクレーと22Bと水平対向ターボ

スバル インプレッサ WRX GC8

ランエボの永遠のライバル——スバル インプレッサWRX(GC8型)。1992年に登場したこのコンパクト4WDセダンは、スバル独自の水平対向ターボ「EJ20」と左右対称のシンメトリカルAWDを武器にWRCの頂点へ駆け上がった。コリン・マクレーが、リチャード・バーンズが、そして555カラーのブルーのマシンが世界中のラリーファンの心を掴んだ90年代——その主役がGC8だ。

スバル インプレッサ WRX GC8
TOC

水平対向+4WDというスバルの解

GC8の心臓はEJ20型2.0L水平対向4気筒ターボ。ピストンが水平に向き合って動くボクサーエンジンは全高が低く、低重心マシンを作るのに理想的だ。縦置きエンジンから左右対称に駆動を分配するシンメトリカルAWDと組み合わせ、「曲がる4WD」を実現した。デビュー時のWRXは240ps。改良のたびに出力を上げ、1996年には自主規制上限の280psへ到達した。

STIバージョンの登場

  • WRX STiバージョン(1994年):スバルテクニカインターナショナルが手を入れた特別仕様。専用ECU・鍛造ピストンなどで戦闘力を強化。
  • バージョンII〜VI:毎年改良を重ね「バージョン」を更新。V〜VIは280ps+専用クロスミッション。
  • 22B STiバージョン(1998年):WRC3連覇記念の限定400台。2.2Lボア拡大+ワイドボディの究極GC8。当時価格500万円が今や3,000万〜5,000万円で取引される日本車最高峰のコレクターズアイテム。

WRCでは1995〜97年にマニュファクチャラーズタイトル3連覇。1995年にはコリン・マクレーがドライバーズチャンピオンに輝いた。555ブルーのインプレッサが横っ飛びでコーナーを駆け抜ける姿は、ラリー史上最も美しい光景のひとつだ。

主要スペック(GC8 WRX STI バージョンV)

  • エンジン:EJ20型 2.0L 水平対向4気筒 DOHCターボ・280ps/36.0kgm
  • 全長×全幅×全高:4,350×1,690×1,405mm
  • 車両重量:1,270kg
  • 駆動方式:フルタイム4WD(ビスカスLSD付きセンターデフ)
  • ボディ:4ドアセダン/5ドアワゴン(ワゴンWRXも設定)

現在の相場

  • WRX(非STI):150万〜300万円
  • STIバージョン系良個体:300万〜600万円
  • 22B:3,000万円超の別世界
  • チェックポイント:EJ20のオイル漏れ・タービン状態、ラリー使用歴、錆び(リアアーチ)、純正度。

ボクサーサウンドを響かせて雪道を駆けるGC8は、90年代日本のヒーローだ。エボとどちらが速いか——その答えは今も出ていない。だからこそ、この2台の物語は永遠なのである。

※相場は市場の状況によって変動します。ここに挙げた金額はあくまで目安であり、車両の状態・記録簿の有無・修復歴によって大きく変わります。実際の売買では専門店や複数の査定でご確認ください。

よくある質問

Q. 水平対向エンジンと4WDの組み合わせはなぜ有利なのですか

ピストンが左右に寝ているぶん機関の背が低く、重心を下げやすいのが第一の利点です。さらに縦置きから左右対称に駆動を配るため、力の伝わり方に偏りが出にくく、四輪駆動でも素直に向きが変わります。

Q. WRXとSTIバージョンはどう違うのですか

STIバージョンはスバルの競技部門が手を入れた特別仕様で、制御の書き換えや鍛造ピストンの採用、専用の変速比などが与えられています。素の状態から競技寄りに一段振った仕立てと考えてください。

Q. 22Bとはどのようなモデルですか

1998年、WRCでの製造者部門3連覇を記念して400台ほどが作られた特別限定車です。排気量を2.2リッターへ拡げ、大きく張り出したワイドボディをまとった、GC8の到達点というべき存在です。

Q. 中古車で確認すべき点はどこですか

EJ20からのオイル滲みと過給機の状態がまず挙がります。加えてリアホイールアーチの錆、そして競技での使用歴の有無も重要です。改造車が多い車種なので、戻せる範囲かどうかも見ておきたいところです。

あわせて読みたい

Let's share this post !

Author of this article

クラシックカー専門ライター。自動車雑誌の編集部に12年在籍し、欧州車・国産旧車の取材を担当。独立後はイタリア・英国のクラシックカーイベント取材やオーナーインタビューを重ね、これまでに試乗・取材した旧車は300台以上。愛車はアルファロメオ ジュリア スーパー(105系)と、レストア中の国産旧車1台。「名車の物語を、次の世代に手渡す」をモットーに、スペックの羅列ではなく“そのクルマが生きた時代”まで伝える記事を心がけている。

Comments

To comment

CAPTCHA


TOC